Act-JP52(アクト-ジェイピー・52)は疑似日本語配列の52キー自作キーボードです。
・Act-JP52とは
Keyboard: Act-JP52"零式"
Switch: DUROCK T1 Shrimp
Keycap: DSA PBT ブランク キーキャップ
自作キーボードに程良く慣れた(?)頃に「自分だけの自作キーボードが欲しい」という想いが強くなり、日本語配列ライクな使用が出来るキーボードを目指して作ったのがAct-JP52です。ロウスタッガードのキーボードとしてはやや歪な形状ではありますが、実体としては一部を除き普通の日本語配列キーボードと同じように使えるキーボードです。
自作キーボードも、この記事を書いている現在では基板を設計してそれを海外工場で製造してもらうのが一般的になりつつあるようですが、このキーボードは空中配線や手配線(海外的にはHand-Wiredで浸透しているようなので手配線の方が主流な表現かもしれません)と呼ばれる組み立て方で組んであります。
名称は「日本語配列を演じる」という意味合いと、私、芥川愛之助が作るキーボードということから『Act』を取り、(疑似)日本語配列であるということで『JP』を付け、そこにキー数である『52』を足した形です。恥ずかしいエピソードとしては、ほぼ同時期(着想はたぶん相手方が先)に設計が進んでいた他のキーボードと名称が似た感じになっていたのを気が付かずにそのまま決定してしまったことでしょうか……タイミング的には自分が後だったと思うのに相手方よりご相談があり、申し訳なさで画面越しに頭を下げた恥ずかしい思い出があります……その節は、ご面倒をおかけいたしました(平身低頭)。
基本的な構造というか、仕組みをしっかりと作ってやればキーボードは作れるのだということを、製作を通して学んだ気がします。ただ、これを作るのにはそれなりに苦労していて、数々のblogや同人誌、アドバイスがなければ完成できたかどうか……。特にファームウェアについては色々と変化があると古いblog記事に書かれているものではどうにもならない場面があったので、今後手を出そうという方はどんなファームウェアを使うかにもよりますがそのファームウェアの公式や、それをよく使っている方のblog等を丁寧にチェックしておくと良いかと思います。
自分なりに「こんなキーボードが欲しい!」と進めた自作キーボード設計ですが、最初にしては上手く出来た気がしますし、広く見渡せば「まだまだだなぁ……」というものです。今の自分では「ここはこうした方が良かった」というのは沢山ありますが、それでもまずは作ろうとした自分を褒めてやっても良いかなと思います。最初の一歩が無ければ、今はないので。
・仕様について
具体的な中身、というか仕様について触れておきましょう。このキーボードは『疑似日本語配列』と言い続けていまして、日本語配列ライクに使えますが、キーの配置はJIS日本語配列とは異なります。JISはしっかりとした規格ですから、それから逸脱したものはJISとは言えませんし、JISでなくとも一般的に普及している日本語配列キーボードともキー配置が異なりますので、『疑似』とするのが良いかなと。この辺りは先達の方の思想に影響を受けていると思います。
キートップに刻印シールを貼っていた頃の画像です。基本的なQWERTY配列部分はそのまま、記号系の配置が異なるという感じですね。『[』、『]』の位置が悩みどころで、この配置のせいで通常の刻印が入ったキーキャップが採用できません(見てお分かりの方もいらっしゃるかと思いますが、それだけが原因でもありませんが)。
モデファイア部分は左上、オレンジのキーからEsc、Ctrl、Shift、半角/全角。そのまま右に行きまして、Win、Alt、無変換、Space(layer3)、Space(layer2)、変換、かな、Ctrl、Alt、layer1。右側は上からBackSpace、Enter、Shiftという感じのマップです。
layer1はQWERTYに数字(1~0)、@、¥を配置。K、M、,、かなに↑、←、→、↓を配置してそれなりの操作が出来るようにしています。A、ZにはHome、Endを。S、XにはPage Up、Page Downを入れて、文章入力や確認の際に使いやすいようにしたつもりです。
layer2はQWERTYにF1~F12を設定しているくらいで他はガラ空きですね……。同じく、layer3もテンキー用の数字その他を入れたくらいで、同様です。
使い心地と見た目を自分好みにしようと素人なりにやってみましたが、後に作ることになるActy-45で対策された右手エリアの使い心地に問題を抱えていました。結果として、カラムスタッガードのキーボードを使った後に使い辛さを感じてしまうという弱点を抱えてしまい、改良の必要性を強く感じました。
ハードウェア的な仕様として最も大きな部分は基板が無いことです。前述しました空中配線による組み立てでキースイッチ、ダイオード、マイコン(ProMicro互換基板)を繋げて動作するようになっています。配線の仕組み自体に難しいところはありませんが、上手く・綺麗に配線する(はんだ付けする)というのが自分には難しいということを痛感した要素でもあります。
ソフトウェア的な仕様としては、ファームウェアにQMK Firmwareを採用しています。これを組んだ時点で他にも採用例が増えているファームウェアがありましたが、経験の浅い自分がトラブル対処するためには事例を探しやすいであろうファームウェアである必要性を感じていたため、QMKを選んでいます。当時のバージョンは古いblog記事がまだ(多少は)参考になりましたが、もう少し遅かったら難しかったかもしれませんね(ガラリと変わってしまったので)。
今はデスク上の最前線にいませんが、今でも時折使って楽しんでいます。初めて自分が自分のために作ったキーボードですし、イマイチな部分も多いですが、やっぱり可愛いものです。
この記事はAct-JP52とActy-45で書きました。
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